「銀行以外にやりたい仕事があったけど、辞めるに辞めれずもう50代」
「一度きりの人生、銀行一筋のキャリアで終わってよいのだろうか?」
「50代の銀行員が転職なんて、現実的ではないのでは?」
そんなことを考えている50代銀行員の方向けに、記事を作成しました。
・年齢:30代後半 関西在住
・地元でリテール(個人営業)として奮闘中
・毎月1万人以上が訪問する転職メディアを運営
・200人以上の転職相談にのった経験アリ
確かに、50代での転職というのは、多くの人が取る選択肢ではないのかもしれません。
今まで築き上げてきた銀行のキャリアを捨て、新しい一歩を踏み出すのは不安ですよね。
ましてやそれが50代であれば、なおさら勇気がいります。
それでも、あなたが心から転職を臨むのであれば、50代で転職を成功させることは決して不可能ではありません!
・50代銀行員の転職理由
・50代銀行員が転職を成功させる秘訣
・50代銀行員の主な転職先
転職成功者がどのような考え方に基づき、どのような転職先を選んでいるのか?
この記事を最後まで読んでいただければ、後悔のない人生を送る為のヒントが得られるはずです!
もくじ
50代の銀行員の転職理由
気力の限界
高校や大学を卒業後、銀行一筋で頑張ってきた人であれば、実に30年近く銀行で勤めてきたことになります。
厳しいノルマや縦社会に揉まれ、ストレスまみれの生活を送ってきたことでしょう。
若い頃は体力もあり、根性で乗り切れたかもしれません。
しかし50代になれば長年の疲労が蓄積し、若い頃のように無理も利かなくなっています。
さらに、銀行を取り巻く環境は急激に変化しており、業務のIT化に対応するだけでも一苦労。
やがて気力の限界を迎え、長年従事した銀行から身を引きたいと考えても不思議ではありません。
人生のラストチャレンジをしたい
銀行でがむしゃらに働き続け、気が付けばもう50代。
人生100年時代において、50代は折り返し地点に過ぎず、人生はまだまだこれからです。
しかし、銀行のキャリアを捨てて転職するには、タイムリミットが近づいていることも事実です。
「結局銀行を辞めずにここまできたけど、本当はやりたい仕事がある」という人にとっては、定年も迫ったこの時期が決断するには最後のチャンス。
一度きりの人生において、人生のラストチャレンジをしたいと考え転職を決断する人もいることでしょう。
生活に余裕が出来た
銀行を辞めたいと考えながらも、銀行には生活の安定性と充実した福利厚生が得られるというメリットがあります。
家庭を支えるためにも、歯を食いしばって銀行で働き続けてきた人もいることでしょう。
しかし、銀行の給与水準を得ながら堅実に人生設計をしてきた人であれば、50代になれば十分な貯蓄が出来ているはずです。
子どもの手がかからなくなり、マイホームのローンも完済が見えている頃かもしれません。
「家庭を支える」という役割から解放されたことで、いよいよ銀行を退職しようと考える人もいるのではないでしょうか。
銀行キャリアの終着点が見えた
50代になれば、行内でもそれなりの役職に就いている人も多いでしょう。
それと同時に、自分の銀行キャリアの終着点が見える時期でもあります。
「同期は支店長や本部の重役に昇進しているが、自分は支店の次長職になれるかどうかで終わり、のちに出向だろう」という具合です。
先の見えた会社員人生というのは、モチベーションを保つのが難しくなるものです。
「終着点が自分の思い描いたものではない」と分かった時に、いっそのこと新しい人生に踏み出したいと考えて転職する人もいます。
仕事と給料が減らされた
50代を迎えると、数年後には関連会社などに出向する人も多くなります。
むしろ、定年の日まで銀行に留まり続ける人の方が少ないのではないでしょうか。
出向の前段階として、50代になると徐々に責任ある仕事から外されたり、給料が減らされたりする「実質定年」の扱いを受けるケースもあるでしょう。
これでは、「もはや自分は銀行に必要のない人材である」と暗に言われているように感じてしまいます。
「自分はまだやれる、もう一花咲かせよう」と新しいチャレンジを求める人もいます。
50代の銀行員が転職を成功させる秘訣
やみくもに辞めるのではなく、きちんと戦略を持って次のキャリアを成功させましょう。
蓄積してきた経験を活かす
50代からの転職ということになれば、期待されるのは「経験の還元」です。
転職市場で求められる人材は、ポテンシャルを感じる将来性豊かな若手か、自社にはないモノをもたらしてくれる即戦力のいずれかです。
50代の転職者に求められるのは、必然的に後者となります。
よって、全くの未経験分野で活躍するのは難しく、自分のスキルを活かすことの出来る業種への転職を検討するべきでしょう。
そこで、転職活動を始める際に必要なのが、「スキル・経験の棚卸し」です。
これまでのキャリアを振り返り、自分が培ってきた経験や知識のなかから、差別化を図ることの出来る絶対的な強みを見つけ出しましょう。
そうすることで、自然と転職先の候補は絞られてくるとともに、実際に転職した後でもスムーズに活躍することが可能となるでしょう。
企業や肩書きにこだわらない
50代ともなれば、銀行内でそれなりの役職に就いており、部下もいることでしょう。
長年銀行で勤めあげてきたという自負、プライドもあるかもしれません。
しかし、50代の転職活動においては、そうした感情が選択肢を狭めてしまう恐れがあります。
転職の条件に管理職待遇や現在の給与と同水準を求めてしまえば、自ずと候補先は限られることになります。
転職先の選定においては、肩書きや待遇に拘らわない方がいいでしょう。
また、仮に管理職待遇で入社できたとしても、謙虚な姿勢を忘れてはいけません。
突然やってきた人が上司になり、いきなり偉そうにされては転職先の社員の人たちも堪りませんよね。
長年勤めた銀行では実績があっても、転職してしまえば一からのスタートです。
謙虚な姿勢を忘れずに、フレッシュな新入社員さながらの気持ちで臨むことが大切です。
人脈や転職エージェントを活用する
50代からの転職となると、20代30代のように選択肢は多くありません。
一般の求人のなかから、銀行時代と遜色のない転職先を見つけることは容易ではないでしょう。
よって、これまでの人脈を活かした紹介、転職エージェントの活用なども検討してみましょう。
そうすることで、50代の銀行員を必要としている企業との接点が生まれる可能性が高まります。
さらに、エージェントを利用することで、一般公募の求人情報よりも深い情報を得ることが可能になります。
業務内容や職場の雰囲気、転職後にどのような役割が求められるかなどについて理解を深めることで、双方にとってのミスマッチングを無くすことも期待できます。
需要が決して高い訳ではない50代からの転職だからこそ、精度の高く信頼できるルートからの転職も視野に入れるべきです。
50代銀行員の主な転職先
独立をする
銀行で長年働いてきた経験や人脈を活かし、独立開業する道です。
あらゆる選択肢が取れるわけではない50代の転職において、本当にやりたいことを仕事にしたいのであれば、独立は最も実現性の高い方法とも言えます。
ただし当然失敗するリスクも高く、これまでの堅実な人生から一転する可能性もあります。
独立する際には、綿密な事業計画を立てることはもちろんのこと、あらゆる面でのリスクマネジメントが必要です。
友人知人と共同で開業する、大手のフランチャイズによる開業と言った手法を検討してもよいでしょう。
また、軌道に乗るまでの生活防衛資金として十分な貯蓄を確保しておくことと、並行して副業も行うことにより、成功する確率を少しでも高めましょう。
リスクも大きいですが、成功すればやりがいと収入アップの両立が図られる魅力的な選択肢です。
セミリタイア
堅実に資産形成をしてきたのであれば、セミリタイアも選択肢になります。
ただし、セミリタイアをする際には留意点があります。
まず、リタイア後にどのような生活を送りたいかをはっきりさせておきましょう。
社会と何かしらの形で繋がっていないと、孤独を感じて生きがいを無くしてしまいます。
給料が大幅に下がってでも本当にしたかったことを仕事にする、趣味に情熱を捧げるなど、「セミリタイアをする目的」を見つけておきましょう。
また、資金計画を十分にシミュレーションする必要もあります。
セミリタイア後は、貯蓄、退職金、不動産などの資産をうまく活用し生活していくことになります。
セミリタイアする前に、月々の生活費から必要資産額を逆算しておきましょう。
セミリタイアがうまくいけば、ストレスまみれの銀行員生活から解放され、自分の生きたい人生を生きることが出来るようになります。
中小企業の経理職
中小企業の経理職は、銀行のキャリアを活かすことができ、企業側のニーズにも合致する可能性のある転職先です。
従業員の少ない小~中規模の企業であれば、即戦力として歓迎されるでしょう。
長年の銀行キャリアから、経理のみに留まらない幅広い活躍を期待されるはずです。
気になるポイントとしては
・銀行時代よりも給料が下がる可能性がある
・中小企業は安定性に欠ける
・求人が少なく希望するタイミングでの転職は難しいかも
しれないことには注意が必要です。
そうした問題を解消するには、銀行の取引先からの縁故採用を狙うことも一つの手法です。
銀行内で自分のキャリアの終わりが見え始めてきたなか、「必要とされる実感」を得ることの出来る転職先として、選択肢の一つになります。
金融業界
銀行員の経験を最も活かすことのできる業界となると、やはり金融業界となるでしょう。
求人は決して多くはありませんが、保険会社や証券会社などであれば、50代以降の求人を行っているケースもあります。
長年の銀行経験で培った金融知識と、様々な事例に対処してきた豊富な経験を的確にアピールできれば、転職を成功させることも可能でしょう。
ただし、対象となる求人は、人材豊富な大企業で見つけることは難しいかもしれません。
よって、即戦力を求めている中小企業や、ネット系の保険会社、証券会社などを対象として転職活動を行うとよいでしょう。
保険会社や証券会社は、銀行のように年功序列ということはなく、中途採用を歓迎する風土や実力主義の側面もあります。
銀行の経験を活かしてもう一花咲かせたいという人にとっても、挑戦する価値のある転職先です。
コンサルタント、シンクタンク
コンサルタント、シンクタンクへの転職も、長年培ってきた金融関係の知識を活かすことの出来る選択肢となります。
銀行員で培った財務分析能力、経済に関する知識などのスキルを遺憾なく発揮することが可能です。
銀行の融資業務は、融資を介してでしか企業と関わることは出来ませんが、こうした機関であれば経営改善指導などの側面から企業支援に携わることが出来ます。
一般求人であっても中途採用を積極的に行っているところが多いので、チャンスは十分にあります。
また、銀行のグループ企業にこうした機関があるケースが多く、銀行からの出向先として狙うことも一つの手です。
銀行とはまた違った側面で経済に関わることが出来るので、新鮮味とやりがいを感じることが出来るでしょう。
まとめ、50代でも銀行員からの転職は可能
人生100年時代、まだまだ勤務できる
少し前の50代と言えば、定年を間近に控えて社会人生活に幕をおろす準備を始める世代だったのかもしれません。
しかし、人生100年時代と言われる現代では、定年は引き上げられ、60~70代でも現役バリバリで働いている人が大勢います。
つまり、50代であればまだ10~20年以上は働くことの出来る時間が残されているのです。
確かに50代の転職はまだまだ広く普及している訳ではなく、幅広い選択肢が取れる訳ではないのかもしれません。
若い頃と違ってやり直しも難しいので、転職活動をするには十分な貯蓄や様々なリスクマネジメントも必要となります。
チャレンジするならラストチャンス
しかし、50代の銀行員には豊富な金融知識と経験、マネジメント能力などの魅力があり、それらを必要とする受け皿は必ずあります。
60代になればさらに選択肢は狭まり、正社員として転職することは難しくなるでしょう。
そのため、50代の今が、満足いく転職をするラストチャンスと言えるのかもしれません。
辞めたい気持ちを抑えたまま銀行員生活最後の日を迎えた時、どのような感情になるか想像して見て下さい。
一度きりの人生を悔いなく生きるためにも、まずは転職活動を始めてみましょう。