「銀行から思い切ってベンチャー企業への転職を考えている」
「スタートアップで働くってどんな毎日なんだろう?」
「やっぱり給料は下がるの? 働き方はどうなる?」
そんなあなたのための体験談をご用意しました。
関東の有力地銀から従業員5人のITベンチャーへ転職したトラすけさん(仮名)からいただいた体験談です。
トラすけさん プロフィール
・27歳 男性
・地元の国立大学を卒業後、新卒で関東の地銀へ入行
・融資事務、法人営業などを担当後、2年前に転職
・銀行独特の空気がまったく合わず、転職を決意
・カジュアル面談からITベンチャーへ興味がわく
・仕事内容は、財務から経理、営業、プログラミングなど多岐にわたる
・リモートや裁量権の大きさ、自由な雰囲気などメリットが大きい
なぜわざわざ有力地銀のエリートコースを捨ててベンチャー企業へ転職したのか?
ベンチャーでの働き方って興味ありますよね。
もっと自由な業界で働きたいあなた、必見です。
<この記事をまとめた人>
・年齢:30代後半 関西在住
・地元でリテール(個人営業)として奮闘中
・毎月1万人以上が訪問する転職メディアを運営
・200人以上の転職相談にのった経験アリ
もくじ
銀行員からITベンチャーへ転職、入行したきっかけ
なんとなく銀行員になったものの
ぶっちゃけインターンシップにも参加しておらず、意識低い学生でした(笑)。
就活中に大学にいろんな企業の担当者が来て、セミナーをしてくれますよね。
その中に地元の銀行もあって、とりあえず参加しておくか、と。
実際に採用担当者の話を聞いてみると
・若いうちから経営者に会える
・お金というものはどんなに世の中が代わってもなくならない
・知識が身につくのもよいと思いました。
自分の知識で、地域のお客様のために貢献できればと思い入行しました。
地銀の給料水準は安定していた
実際に働いてみてよかったことは、給料が安定して支払われることです。
よっぽどのことがない限り、クビにもなりませんし、ライフプランは立てやすいと思います。
強制的に勉強させられるので、お金に対する一般的な知識や財務諸表などが読めるようになったのは大きいです。
お金の知識や提案力が身についた
これまた強制的にノルマを追わされるので、提案力が身につきます。
社長や決済権限者と会う中で、胆力が磨かれます。
上記の経験値は、ベンチャーで働く今でも役に立っています。
銀行員からベンチャー企業へ転職した理由
銀行独特の空気が合わない
とにかく銀行独特の空気が自分には合わず、非常にストレスに感じていました。
・事務ミスを細かく指摘される
・上司のいうことは絶対、年功序列
・決済が遅い、顧客のためになってない
例えば書類を1箇所ミスっただけで、その都度訂正印をもらわないといけません。
もちろん、大切なお金を貸していますし、何か争いになった時にハンコがないと問題になるのはわかるのですが。
車で往復1時間をかけてしょーもない訂正印をもらいにいった時は、
「あー、俺なんのために仕事してるんだろ?」と虚しさでいっぱいでした。
年功序列で減点方式
自分は割と営業ができる方だったので、お客様と話したり、提案したりは好きだったのですが、それでも理不尽なノルマの追い込みはありました。
直属の上司がさらに上位の支店長などに詰められているのを見るのも、あまり気持ちのよいものではありませんでした。
月曜日になると、社員全員、もれなく目が死んでます。
将来性を感じなかった
上記のような理由から銀行業界にあまり将来性を感じませんでした。
他の地銀にいった大学の同期も同じようなことを言っていたので、「どこも一緒なんだな」と。
それならいっそ、違う環境に身を置いて、もっと楽しく、前向きに自分のチカラを試したいという思いがありました。
転職業界で有名なmotoさん(@moto_recruit)やイケハヤさんとかのインフルエンサーも「銀行はオワコン」と煽っていたので(笑)。
自分の価値観にも影響を与えていると思います。
これは、挑戦するなら若いうちだけだな、と働きながら転職活動を決意しました。
銀行員からベンチャー企業への転職、求人の探し方
伸びる業界に転職したかった
「転職の思考法」という本の中に「自分の市場価値を高めていくこと」と「伸びる業界で働く」ことが大切と書かれており、とても感銘を受けました。
これから伸びるならITだなと。
学生時代に独学でサイト制作やWEB系の言語を少しかじっていたので、興味もありました。
また、自分の技術や知識で顧客の問題解決ができる点もIT業界の魅力であると感じました。
・フレックスタイムなど働き方が自由(当時リモートワークはまだ一般的ではなかった)
・若いうちから仕事を任せてもらえる
・働きながら将来性のある技術が身につく
最初からベンチャーを狙っていたわけではなく、転職活動を通じてたまたまピンときたのがベンチャー企業だったという感じです。
自分の経験や強みを洗い出す
一方で、自分の経験や強みについても棚卸しをしました
・経営者や決裁権者に売り込みをした経験
・目標数字を追いかけながら自分なりに工夫したこと
・金融知識や財務分析ができる点
自分の場合は最終的に入社にはつながりませんでしたが、転職エージェントも上手に利用するといいです。
職務経歴書をブラッシュアップしたり、自分の経験ならどのような求人があるかも教えてくれます。
転職サイトに登録し、興味のある企業は片っ端から応募しました。
大手企業やそのグループ会社、人材系など色々と受けました。
その中で、Wantedlyというビジネス系のSNSでたまたま出会った人が、今の会社で働いている人でした。
ベンチャーの面接はカジュアルだった
カジュアル面談で、喫茶店でコーヒーでも飲みながら、事業内容や気になっていることを聞くというスタイル。
事業内容や将来への展望、経営者の人柄なども色々とお聞きしました。
年が近いこともあり、思いのほか意気投合!
向こうの僕の銀行員としての経歴や、転職活動を通じての経験に興味をもってくれました。
ちょうど、財務や税務などの知識に明るい人を求めていたこともあり、「ぜひ、うちに来てくださいよ」と誘われました。
最終面接は居酒屋だった(笑)
これは、チャンスかもしれない。
ベンチャーで行く末はわからないけど、楽しそう。
帰宅してからも色々と調べて、WEBサイトの制作やマーケティングはまだまだ伸びそうな分野であると感じました。
そのあと後日、会社のメンバーと飲み会もセッティングしてくださり、メンバー全員と打ち解けることができました。
一応、職務経歴書は提出しましたが、僕の面接は最初のカジュアル面談とその後の飲み会だけです(笑)。
銀行員からベンチャー企業への転職、周りの反応
ベンチャーへの転職に親は反対
ぶっちゃけ、親は反対してました。
せっかく大学まで出て、地元では優良と言われる地銀に入ったのに、と。
色々と説得はしたのですが、最終的には
「3年以内だったら辞めても銀行に戻ってこれる制度があるから」とテキトーに嘘をついてごまかしました。
支店長からも引き止めに合う
居酒屋で内定をもらったのが6月末で、9月末での入社を考えていたので、7月上旬には上司に転職する旨を打ち明けました。
支店長からは結構止められました。
若手が退職すると、管理職の人事考課が下がるという噂もあります。
その頃には僕も転職する決意を固めていたので、最終的には折れてくれました。
応援してくれる同僚もいた
「ベンチャーに行くなんて大丈夫?」という人もいれば、
「銀行辞めるなんてうらやましいな(俺も辞めたい)」って言ってくれる人もいました。
ともかく銀行での悪魔のような日々から脱出できる、という喜びとこれからの仕事のワクワク感に胸を踊らせていたのを覚えています。
銀行員からベンチャー企業へ転職した、仕事内容
ベンチャーなので何でも屋
現在自分が所属している会社の事業内容は
webサイト制作
ツールの販売
Googleアナリティクスの分析や企業メディアの作成などwebマーケティング
を主に行っています。
その中でも自分は、財務諸表の作成や税理士との折衝、他にもクライアントへの営業、折衝や、コードを書いたりWEBサイト制作なども携わっています。
要するに何でも屋ですね、社員5人しかいませんので(笑)。
半年でCFOに昇進
最初の半年で働きぶりが認められて、CFO(最高財務責任者)という肩書がつきました。
発行済の株式の約5%をインセンティブとしてもらいました。
上場や会社売却の時は利益が出る仕組みとなっています。
潰れたら紙切れですけどね。(笑)
逆にいうと税務や銀行とのやり取り、登記、契約書チェックなど面倒事はこちらに回ってきます
銀行員からベンチャーへ転職して良かった点
毎日憂鬱な思いで会社に行かなくてすむ
毎日悶々と会社に行かなくて済むのは大きいです。
一日に仕事に費やす時間は、銀行とほぼ一緒です。(休憩込みで1日10~11時間程度)
ただ、集中している時間は今の方が多いと思います。
銀行員時代は、訪問の間にサボったり、ぼーっとしていることも多かったので。
圧倒的な裁量権がある
銀行員時代のように、細かい事務ミスで怒られたり、1つ1つの箇所に訂正印をもらったりという作業はほぼありません。
稟議書を社内政治で上にあげて通すといったこともありません。
社長にはチャットで相談です。
今日考えたアイディアが、さっそく明日から実行できるというのは嬉しいですね。
フレックスあり、リモート可
うちの会社は、出社時間自由、リモート可というスタイル。
WEBマーケティングは、取れる施策がやろうと思えばいくらでもあるので。
ついつい土曜も半日くらい仕事をしてしまいます。
その代わり、日曜は完全オフと割り切ってます。
銀行員からベンチャー企業へ転職する注意点
メンバーとの相性はすごく大事
特に、従業員数が少ない場合、メンバーとの相性はすごく大事です。
銀行のように1、2年我慢すれば自分が相手かどちらかが転勤、なんてことはありません。
スタートアップは創業者の考えがかなり会社や事業内容に反映されます。
一回役員と飲みに行ってから入社を決めるくらいの方が、人となりがわかってよいですね。
創業者のことはストーカーのように、いろいろな角度から調べた方がいいです。
福利厚生は劣る
年収は福利厚生は、スタートアップに入社すると間違いなく下がると思った方がいいです。
自分の場合はたまたま業績がよくて、銀行員時代よりも年収が上がりました。
エラー対応やクライアントからの仕様変更で、突発的な残業もあります。
求人票や雇用契約書はきちんとチェックしておきましょう。
基本的に求人票以上のことは仕事として振ってくる、と思った方がいいです。
ある程度の安定性や福利厚生を狙いたいのであれば、従業員数100人以上のところを選んだ方がいいでしょう。
銀行員からベンチャー企業へ転職できる!
特にIT関連の業界で、財務諸表を読める人はとても少ないです。
社長や経営者と交渉経験のある人材も少ないです。
お金まわりや法律知識などの豊富な銀行員は重宝されます。
広く浅く色々な業界を知っているのもプラスに働きますね。
転職って意外とあっさり簡単にできます。
ベンチャー企業へ転職するなら、吸収力もあって体力もある若いうちがいいですよ。
銀行にいたときよりも遥かに刺激的で、前向きな毎日を送ることができています!
今後ますますのご活躍を祈念しています。
銀行員からベンチャーへ転職するのにおすすめのサービス
ここからはトラすけさんからの情報を元に、ベンチャー企業の求人を探すのにおすすめのサービスをご紹介します。
登録は無料、転職に役立つ情報が満載です。
まずは、自分に合う企業があるがどうか、情報収集のつもりで気軽に登録してみるとよいでしょう。
キャリトレ
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担当者が若干ガツガツしている傾向にありますが、そこは銀行で培ったスルースキルがあれば充分に受け流せると思います。(笑)
きちんと合う企業を提案してくれるまで、粘りつづけましょう。
公開されてない求人もたくさんあるので、おすすめです。