「銀行から転職したいけど、やっぱり資格があった方が有利なの?」
「今からでも資格を取得した方がいいの?」
「現在保有している資格をどう活かせばいいのか知りたい」
そんなあなたのための記事を書きました。
・年齢:30代後半 関西在住
・地元でリテール(個人営業)として奮闘中
・毎月1万人以上が訪問する転職メディアを運営
・200人以上の転職相談にのった経験アリ
今回ご紹介する資格は次の7つです。
- FP(ファイナンシャルプランナー)
- 簿記(日商簿記)
- 宅建士(宅地建物取引士)
- TOEIC
- 販売士
- 中小企業診断士
- 税理士
ちなみに、銀行員がよく受験する(というか受けさせられる)銀行業務検定は同じく金融業界に転職しない限り、ほぼ意味はありません。
そもそも内容がマニアックで習得した知識も同じ業界でないと、通用しにくいからです。
あなたが保有している資格、あるいはこれから取得しようとしている資格を上手にPRして、いい仕事探しにつなげてください。
もくじ
銀行員が転職に活かせる資格、FP
ほとんどの銀行員が保有している資格
ライフプランの設計、資産運用、不動産、税金、相続など、お金に関する様々な知識を習得できる資格です。
銀行員とは関連性が高く、取得が必須になっている銀行も多いのではないでしょうか。
お金に関する知識を習得しているということは、「しっかりしている」「堅実そう」と言った評価に繋がります。
人生100年時代に必須の知識
人生100年時代と言われる近年において、長期的なライフプランの設計・資産運用への関心や、相続や贈与に関する相談は増加することが予想されます。
FP(ファイナンシャルプランナー)はそのようなニーズに応える資格であり、今後ますます重宝されることでしょう。
その分資格保有者は多い
ただし、FPは銀行員以外にも受験者が多い人気の資格です。
そのため、FPを取得していることがそのまま高い価値を持つ訳ではありません。
銀行員としてFP資格を実際に活かし、お金に関する数多くの相談に乗ってきた「実績」もPRすることで、大きな価値を持つことになるのです。
お金の知識は幅広い業界で役に立つ
資格に伴った実績が構築出来れば、様々な転職先が検討可能となります。
給与計算を担う総務職、保険会社、証券会社などをはじめとして、その他の資格と複合させてコンサルタントなどへの転身も検討可能でしょう。
社会ではお金に関する知識は必要不可欠であるからこそ、「銀行員+FP」の組み合わせは、広く求められる人材と言えるのです。
銀行員が転職に活かせる資格、簿記
法人営業や融資担当で必須の資格
企業の日々のあらゆる経営活動について、一定のルールに従い記録、整理、計算する技能を習得できる資格です。
簿記を学ぶことにより、貸借対照表や損益計算書を読み取ることが出来るようになり、企業の経営状態を把握することが可能となります。
企業活動をコスト面から分析し、改善策を見つけることの出来る「経営者目線」をもった人材であることをアピール出来るようになります。
簿記の勉強をする人は多い
ただし、簿記試験はFP同様、銀行員以外にも毎年大勢の受験者がいる知名度の高い人気資格です。
銀行員であれば最低でも2級の取得が望ましく、差別化を図るには、相性のよいその他の資格も併せて取得しておきたいところです。
簿記に加えてFPや中小企業診断士、宅建士などの資格を取得していると、金融・経済に関するスペシャリストとして市場価値が高まります。
経理や営業、会計事務所などにも転職可能
また、簿記1級を取得すれば、それだけで税理士の受験資格を得られるので、税理士として将来的に独立する足がかりとなるかもしれません。
転職活動の際、簿記の資格が有利に働く職種として第一に挙げられるのは経理職です。
その他の資格や銀行員としての経験も組み合わせれば、メーカーの営業職、経営コンサルタントや会計事務所など、様々な転職先が検討可能となることでしょう。
*日商簿記2級の資格を活かして、メーカーの経理担当に転職したもと農協職員の体験談はコチラ↓
銀行員が転職に活かせる資格、宅建士
独占業務がある宅建士
土地や建物などの不動産取引に関する専門的知識を習得することができる資格です。
宅建士(宅地建物取引士)の強みとして、不動産業における「独占業務」があることが挙げられます。
不動産取引の際に買主に対して交付する重要事項説明書の説明や記名押印は、宅建士しか行うことが出来ません。
不動産業界で重宝される資格
また、不動産の売買や仲介を営む業者は、事業所ごとに従業員の5人に1人は宅建士を置くことが義務付けられています。
このような理由から、宅建士は不動産業界において非常に重宝されており、宅建士歓迎の求人や、宅建士に対して資格手当を支給している企業が多いです。
宅建士は合格率15%前後の難関資格でもあり、合格すれば勤勉性をアピールすることにもなります。
不動産業界以外にも活かせる
成長意欲をもち、業務にも真面目にコツコツと取り組む人材であるとの印象を与えることが出来るでしょう。
転職を検討する際には、不動産業界以外にも、住宅販売を手がける建設業界や、総合的なライフプランを提案する保険業界などへの転職にも有利に働きます。
宅建士の勉強で得られる知識は、銀行の融資業務においても不動産取引や担保評価などの際に活用でき、一度合格すれば一生有効な資格です。
将来の選択肢を広げることのできる資格であり、銀行員であれば取得しておいて損はないと言えるでしょう。
銀行員が転職に活かせる資格、TOEIC
英語のスキルをスコアで証明する
ビジネスや日常生活における、英語によるコミュニケーション能力を図る試験です。
TOEICには5種類あり、最も普及しているテストは「TOEIC Listening&Reading」です。
リスニング・リーディングそれぞれ5~495点の計10~990点のスコアで評価されます。
仕事で直接英語を使わなくても求められる場合も
英語力を測定する試験としては国内で最も有名であり、高得点であるほど英語力をアピール出来る指標となります。
平均点は600点程度となっており、海外展開をしている企業などでは一定以上の点数取得が求人の条件になっているところもあります。
そのため、差別化を図るには700~800点程度取得しておきたいところです。
ただし、ビジネスシーンにおいて実際に求められるのは、TOEICの高スコアではなく、「実際の英会話力」です。
英会話スクールに通うことなどにより、そうした能力を高めるようにしておきましょう。
高い英語力を備えれば、「銀行員として様々なスキルを備え、なおかつグローバルに活躍できる人材」として、様々な転職先で活躍することが出来ます。
英語力が必要となるIT産業をはじめとした営業職、外資系金融機関や総合商社など、世界的に活躍できる業界で働くことも可能となるでしょう。
銀行員が転職に活かせる資格、販売士
マーケティングに関する国家資格
マーケティング、経営計画の立案や経営管理に関する知識を習得できる資格です。
日本商工会議所が運営する「流通業界で唯一の公的資格」であり、小売業、製造業、サービス業などの業界で取得する人が多い資格です。
試験は3級から1級まであり、接客に関する知識から、仕入や在庫管理、店舗経営手法、マーケティングや労務管理など幅広い知識を習得できます。
銀行員とも相性がよい資格
学習内容は中小企業診断士に近く、銀行員とも相性のよい資格であると言えます。
銀行員として様々な業界の財務分析を行えるのみでなく、販売実務に関する幅広い知識も併せ持った人材であることをアピール出来ます。
転職の際で差別化を図るには2級以上の取得が望ましく、銀行員であれば1級の取得も目指したいところです。
幅広い業界への転職が可能
販売士の資格と、銀行員のコミュニケーション能力、論理的思考能力などを組み合わせることで、転職市場においても高い評価を得ることができます。
流通業界をはじめとして、接客業、小売業全般やメーカーの営業職など、幅広い業界への転職の際に有利に働きます。
簿記や中小企業診断士などの資格も取得することで、様々な業界の経営管理職や、経営コンサルタントへの転職も検討可能となるでしょう。
*地銀から小売業の販売戦略部門に転職した男性の体験談はコチラ↓
銀行員が転職に活かせる資格、中小企業診断士
企業の目利きができるプロ
コンサルティングに関する唯一の国家資格であり、中小企業の様々な課題に対応するための経営診断、助言を行う専門家です。
経営学、財務会計、企業経営理論、経営情報システムなど7科目を学び、まさに「企業経営のプロフェッショナル」になることが出来ます。
金融を通じて企業支援、経済発展に貢献する銀行員とはとても相性の良い資格です。
多種多様な企業活動を「経営者目線」で見つめ、高い論理的思考を活かして課題解決策を提示できる能力をアピールすることが出来るでしょう。
幅広い人脈を築くことができる
また、幅広い人的ネットワークを構築できることも大きなメリットの一つです。
診断士に合格するまでの様々な課程や、合格後の勉強会、研修など、診断士同士で様々な交流をする機会があります。
全国各地の診断士と連携することにより、転職や起業など、人生の新たな可能性を見つけるきっかけになるかもしれません。
中小企業の支援や独立にも役立つ
診断士を取得すれば、商工会議所や信用保証協会などの中小企業支援機関、経営コンサルタント会社などに転職する際には非常に有利に働きます。
銀行員としてのキャリアやその他の関連資格、診断士同士の人脈を複合的に活かすことにより、独立して事務所を構えることも選択肢となることでしょう。
銀行員が転職に活かせる資格、税理士
税務や会計のプロ
税務や会計のスペシャリストとして、税務代理などを行うことの出来る国家資格です。
税務書類の作成、税務代行、税務相談などの業務は、税理士にしか行うことの出来ない独占業務となっており、社会的価値が非常に高い資格です。
また、税務業務を通じて、経営に関する助言などを行うことにより、企業の成長に貢献するコンサルティング業務も役割の一つです。
社会になくてはならない税制度
社会と税は密接に関連しており、税に関する相談は多種多様です。
そのため、IT化の進む現代においても、税に関する相談は「人対人」の業務として今後も高い需要が見込まれるでしょう。
税理士の肩書きによって高い信頼性が得られるほか、多様な知識と勤勉性を備えた人材としてどのような業界からも重宝されるようになります。
経理職の他、人脈を活かして独立開業も
一般企業の経理職においては、年収アップの転職をすることも十分に可能でしょう。
税理士事務所に転職して実務経験を積んだ後に、独立開業の道も開かれます。
銀行業務の傍らで勉強するにはハードルが高いですが、税理士試験は科目合格制を採用していることから、1科目ずつコツコツと取得していくことも可能です。
自分の理想とする働き方を実現するため、挑戦する価値のある資格であると言えます。
*メガバンクから税理士法人へ転職した20代男性の体験談はコチラ
銀行で取得した資格を活かして転職しよう
銀行員の人材市場価値は高い
銀行員の転職市場における価値は、もともと高い水準にあります。
営業力、忍耐力、論理的思考力など、様々なスキルを備えた人材であると認識されているからです。
それに加え、資格を取得すれば「業務時間外に自己研鑽に努めたという実績」が作られ、その価値はさらに高まることでしょう。
資格があれば良いというわけではない
ただし、やみくもに資格を取得しても、転職市場においてはあまり意味をもちません。
・なぜその資格を取得しようと思ったのか
・どのような勉強をしたのか
・取得後どのように活用したのか
などについて、実態が伴う必要があります。
これまで見てきた資格は、いずれも銀行業務と密接に関連する資格です。
取得すれば、あなたが「優秀な銀行員」となる手助けをしてくれるでしょう。
「資格を取得し、結果として優秀なビジネスパーソンになった」という事実こそが、転職市場における価値を高めてくれることになるのです。
資格を活かせる優秀な人材になろう
資格を取得することは「手段」であり、「目的」ではありません。
取得する資格を選定する際には、取得後にどのような自分になりたいのかについてイメージするようにしましょう。
目的を持ち自己研鑽に努めれば、人生において様々な選択肢を持てるようになります。
自分の理想とする将来を実現するために、資格を活かして転職活動を始めましょう。