「銀行員から会計士事務所への転職を考えている」
「転職したらどんな働き方になるのかな?」
「自己PRや志望動機って何を話したらいいの?」
そんなお悩みにお答えする体験談をご紹介します。
ペンネーム:働く腹黒さん(@koskosaka1)からいただいた転職体験談です。
地方金融機関から会計事務所への転職に成功されています。
働く腹黒さん プロフィール
・アラサー 女性 夫と2人の子どもあり
・私立大学(経済学部)を卒業後、新卒で銀行へ入行
・窓口や融資を担当後、数ヶ月前に転職
今回のインタビューでは、
・そもそも銀行に入ったキッカケと退職理由
・会計事務所の求人の探し方
・銀行員のキャリアを活かした自己PRと志望動機
・実際の年収と転職してよかった点
を余すことなく語っていただきました!
会計事務所や士業の補佐への転職を考えているあなたは、必読です!
<この記事をまとめた人>
・年齢:30代後半 関西在住
・地元でリテール(個人営業)として奮闘中
・毎月1万人以上が訪問する転職メディアを運営
・200人以上の転職相談にのった経験アリ
もくじ
銀行員から会計事務所への転職理由
銀行は女性でもキャリアを築きやすいと思った
高校の授業で、女性の生涯就業人口のグラフ(妊娠出産適齢期に就業人口が減るM字型)が衝撃でした。
「これはちょっとやそっとでは改善されないのでは?」
だったら、私大文系を出ても離職しても働きやすい職種に就こう、と経済学部に進学。
経済学部→金融業だと理由付けしやすいとのことですよね。
金融業を片っ端から受け、最終的に「銀行員なら全国資格共通じゃね?」と銀行に就職しました。
転職の理由は元々が「踏み台としての銀行」だったので、特に思い入れも無かったです。(笑)
育児との両立で転職を決意
銀行を退職する主な原因は、育児短時間勤務制度の終了です。
どの支店に転勤になっても通勤1時間、それとお迎えの兼ね合いからフルタイムに戻る事は物理的に無理。
かといってパートで通勤1時間もアホらしいということで転職を決意しました。
支店長は「あなたみたいな人がいれば、パートさん達の選択肢も増えるでしょう?」
と時短の制度改革に本当に力を入れて下さったのですが、人事部が首を縦に振る事はなかったのです。
銀行員から会計事務所への転職、求人の探し方
転職サイトで会計事務所の求人を見つける
現事務所はたまたま見かけた求人サイトです。
一応税理士業、経理転職専門エージェントがありましたのでそちらを登録しました。
登録面接が終わってすぐ、現事務所の求人を見つけてしまったので特に利用することなく終了しました。
転職エージェントは色んな求人を見たい人向き
また大手転職エージェントは利用しませんでした。
大手だと確かに登録企業は多いのですが、私は転職するなら士業補佐か銀行融資、または銀行事務センターにしか興味がなかったので別業界の情報を見ることすらしませんでした。
色々な職種や業界を見たい人には向いていると思います。
銀行員から会計事務所への転職、効果的な志望動機
自己PRで銀行員としての経験を語る
私は出産後は銀行でずっと融資事務畑でした。
司法書士補佐なら不動産登記や売買のお話をすると受けが良かったです。
会計事務所・税理士事務所には、決算書を読むが実際に経営者と会うことはないのでなんとなくしか読めない!
もっと企業会計や税務、財務について知りたい、と答えると先生方も頷いて下さる事が多かったです。
会計を勉強する意欲を志望動機で見せる
銀行員としての自分の経験を語りつつ、勉強する意欲を見せるのがコツです。
預金や個人営業出身の方なら相続やアパート経営の方との話もいいでしょう。
先生方と共にする営業職であれば、法人さんの経営の問題点やM&Aの話が出来ると良いと思います。
銀行員から会計事務所への転職、資格はあった方がよい?
簿記は持ってた方がよい
事務職は未経験でも可能。
簿記3級があるとスムーズ、2級あると歓迎です。
営業職は簿記2級必須、1級あると歓迎。
さらに法人営業や不動産取引、M&Aの経験必須なところもあります。
税理士試験の科目2科目合格などが多かったと感じます。
会社法や税法方面の資格があると良いです。
営業職は後継者候補
営業職は基本、会計士や税理士になりたい方を採用していると感じました。
どの事務所も必ず「残業何時間なので勉強に時間を割けます!」の文言があります。
後継者や即戦力が欲しいんだろうなあと感じました。
銀行員から税理士事務所の転職を見極めるポイント
・9-16の正社員
・もしパートでも扶養外勤務可能つまり社会保険完備
・自宅近く、子育て家庭の突発的なお休み等に配慮のある先
が私の譲れない条件でした。
銀行にいると気にすることがないのですが、小さな個人事務所だと、事務員のパートは個人事業主雇用扱いとなります。
税金、健康保険、厚生年金ともに配偶者の扶養に入ってねという所が圧倒的に多く、厚生年金のために働きたい私はさらに選択肢が狭まりました。
銀行から会計事務所に転職して年収は上がった?
月次仕分けを覚えている最中
転職して数週間なので今は月次仕訳を覚えているところです。
帳簿記帳をするってイメージです。
これが毎月の試算表となり銀行員の皆様の手に渡るものです。
年収は銀行と同程度の見込み
銀行時代は時短正社は時短分、給料・賞与ともにマイナスでしたが、現事務所は時短正社員でもフルタイムの方と同じ、マイナスなしです。
まだ転職して数週間ですが、銀行時代と同等と予想しています。
リモートワークも可、繁忙期がある
現在は閑散期なので残業はなし、リモート勤務の方も5-15分残業で定時退勤できています。
一方確定申告期は20時過ぎまで残業と聞いています。
私も調整してせめて週1、2は残業できるようにしようと思っています。
またその時期は毎週土曜日出勤もありますが、12ヵ月ある内の2ヵ月程度なので問題なしです。
有給休暇は取りやすい
有給は非常に取りやすく、「事前に何日休みたいです」と伝えるだけ。
事務員の女性も皆穏やかで、銀行の様なお局根性のある人はいません。
有給前の「明日お休みします。すみません」もなし。
翌日事務所入って「昨日ありがとうございましたぁ」と言うだけってレベルです。
銀行員から会計事務所へ転職して良かったこと
労働時間が減ってQOLは爆上がり
まずは出勤が30分遅くなったので、夕飯の仕込みや、掃除機をかけスカーッとした状態で家を出られます。
更に帰宅も30分早くなったため、夕飯を温めるだけの状態まで作ってから子供達と近所の公園に行くなどQOLは爆上がりしました!
銀行と違いイレギュラー対応が少ない
ただでさえ育児中は常にイレギュラーの不発弾生活。
なのに仕事でも窓口に番号札を引かずに来た顧客を、決算書登録をしている手を止め対応したり、
15時間際に来た顧客を対応したりと仕事の予定を乱される事が心底ストレスでした。
現職はイレギュラーなものは電話応対程度で、ストレスがかなり減りました。
税理士事務所は銀行員としての経験を活かせる
銀行時代の業務経験が役に立っています。
全てが初見の書類ですが、見慣れた物もあります。
歳入金や決算書、保険証券、公正証書などなど、慣れないながらも「見たことのある書類」「何を意味するか検討のつく書類」というものを相手にできます。
また勘定科目のアタリをつけるのは経費の経験、仕訳入力以上の事務は融資事務の経験が生きています。
今後ますますのご活躍を祈念しております。