「銀行ってパワハラが存在するってホント?」
「上司からパワハラを受けていてとても辛い。同じような目に合っている人はいるの?」
これから銀行に就職を考えている学生さんや、すでに実際にパワハラを受けていて困っているあなたへ。
この記事では銀行員とパワハラについてまとめました。
・年齢:30代後半 関西在住
・地元でリテール(個人営業)として奮闘中
・毎月1万人以上が訪問する転職メディアを運営
・150人以上の転職相談にのった経験アリ
結論から言ってしまうと、銀行には未だにパワハラが存在します。
具体的に、どんなハラスメントがあるのでしょうか?
一応、厚生労働省が出しているパワハラの定義をまとめておきますね。
僕が入行した2000年代中頃は、銀行とはスマートで知的な外からの印象とはほど遠い、体育会系で上意下達、大声で人格攻撃したり机をガンガン蹴ってきたりとパワハラの温床でした。
今では幾分マシになっているとはいえますが、表沙汰にならないように陰湿化しているとも言えます。
・銀行でのパワハラの具体的な事例
・銀行のパワハラは処分されるのか
・実際にパワハラを受けてしまった時はどうすればいいのか
実際にパワハラにあってしまうと、心身を壊してしまい、休職してしまうケースもあります。
一生、病気と向き合っていかなければならない場合も。
そうなってしまわないためにも、しっかりと情報を入手しておきましょう。
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もくじ
銀行のパワハラの事例
日本人が全体的におとなしくなったのか、あるいはパワハラ上司が淘汰されていったのか。
10年前に比べると、殴る蹴るや恫喝、「死ね」「辞めろ」などの暴言は、減ってきているように感じます。
正直いって、職場ガチャ、上司ガチャによるところが大きい、というのが実際のところです。
優秀な銀行員かどうかは、机を見ればわかる
僕が入行した10年以上前は「机を見れば、仕事ができる営業マンかどうかわかる」と言われてました。
整理整頓されてて、ピッカピカだから仕事ができる……というわけではなくて。
仕事ができない(目標数字が取れない)営業マンは、上司からしょっちゅう机の横や引き出しの部分を蹴られているので、机がべっこべこに凹んでるんですね。
引き出しが上手く閉まらない、なんてこともありました。
スルガ銀行のパワハラ事例
不正融資で社会問題となり、2019年3月末の決算で971億円もの赤字を出したスルガ銀行では、えげつないパワハラが行われていました。
これ、昭和の話じゃありません。
つい、数年前のお話です。
「ものを投げつけられ、パソコンにパンチされ、お前の家族を皆殺しにしてやると言われた」
「死ぬ気でがんばります!と言うと、じゃあ死んでみせろと叱責された」
「首根っこを掴まれて壁に押し付けられ、顔の横の壁をひたすら殴られた。恐怖でしかなかった」
もちろん、銀行や職場などにもよりますが、パワハラが当たり前という職場もあるようです。
*スルガ銀行の元行員に実際にインタビューしてみた記事はコチラ↓
銀行の営業職ではパワハラが横行
特に営業職(渉外部門)などは、取引先を回って数字を獲ってきてナンボの所があるので、パワハラ要素が強い職場です。
依然として男性の割合が多く、体育会系の上官に絶対服従の空気があります。
以下は僕が実際に見聞きした事例です。
上司「おい、◯◯さんよ、今月新規融資何件やるって、言ってたっけ?」
「ご、5件です」
上司「で、今までに何件獲れた?」
「いっ……1件です(すでに泣きそうな顔)」
上司「ふーん、ところで今日は何日だったかな?(北斗の拳の悪者のような顔で)」
「さっ……、30日です」
上司「はぁアぁ? この給料ドロボウがぁ! テメエわかってるよな、今日は(契約)取れるまで帰ってくるんじゃねえぞ!」
同僚はプレッシャーに耐えきれず、営業先を回ったあとにそのまま失踪。
みんなで手分けして探した、なんてこともありました。
銀行のパワハラは処分されるのか
あくまでも僕が見聞きした範囲ですが、処分されないケースの方が多いです。
さすがにこのご時世、殴る蹴るなどの暴行は人事部も動きますが、1時間支店長室に軟禁や言葉での人格攻撃くらいでは、処分されません。
処分される場合も、減給、降格などの処分はほぼなく。
さりげなく次の定例の人事異動で、転勤させる、くらいに留められます。
一般的に金融機関は保守的な体質のところが多く、オオゴトにするのを嫌います。
まるで半沢直樹の世界ですが、支店内部でのもみ消し、本部からの大げさにするなよという指示。
きちんと企業の方でパワハラを防止する体制が整っていれば、スルガ銀行のような事例は出ててこないはずですよね。
銀行はなぜパワハラが多いのか?
では、なぜ銀行はパワハラが多いのでしょうか?
以下の3つの原因が考えられます。
- 保守的、事なかれ主義な組織風土
- パワハラで鍛えられた人たちが上部にいるから
- ビジネスモデルがどんどん厳しくなっているため
銀行のパワハラは負のスパイラル
なぜ、銀行にはパワハラが多いのか?
ひとつは、現在役員・支店長・課長級の人材は、暴力や恐喝まがいの叱責や根性論をくぐり抜けて出世してきた人たちだからです。
「虐待を受けて育った子は、自分が親になっても虐待を繰り返す」
という言葉もあります。
部下のマネジメントも良いところを引き出すのではなく、根性論で叩いて数字を出すことにこだわるという過去の成功体験に沿った行動をしてしまうためです。
金融業界の競争の激化
銀行というビジネスモデルがどんどん厳しくなっている現状。
特に地方では経済の低下が激しく、少ないパイを多くの金融機関で奪い合っています。
最近ではネット銀行や証券なども顧客の選択肢に入ってきて、競争はますます激化。
江戸時代には”ゴマの油と百姓は絞れば絞るほどよい”
なんて言葉がありましたが、
銀行員も絞れば絞るほど数字が出てくる、なんて言葉もあるとかないとか。
銀行でパワハラに合ってしまったら
実際に自分がパワハラに合ってしまった、もしくはその疑いがある、場合はどうすればよいのでしょうか。
・きちんと証拠を残しておく
・周りから証言がもらえるようにしておく
・信頼できる所に相談する
きちんと証拠を残しておく
録音しておく
携帯できるボイスレコーダーを忍ばせておくか、スマホも録音アプリがあるので利用しましょう。
きちんと作動しているか、ポケットの中などからでもきちんと音を拾えているか、事前にチェックしておきましょう。
メールの文章などは保存しておく
社内メールや個人でやりとりしたLINEの履歴なども有力な証拠になります。
理不尽な要求や、ひどい言葉を書かれた場合は削除せず、きちんと保存しておきましょう。
日記などに残しておく
日々の日記や業務日報なども証拠となりえます。ノートなどでもよいので、日付と内容が客観的にみてわかるように記録しておけば証拠になります。
周りの人から証言がもらえるようにしておく
人事部や労働組合などに相談した場合は、実際に職場に調査が入る場合が多くあります。
同僚などにヒアリングをするパターンが多いです。
その際にきちんと証言してもらえるような味方をなるべく作っておくのがオススメです。
注意点としてはパワハラをしている人が、部署内でチカラを持っていたり、支店長だったりすると証言者も遠慮してしまって援軍が見込めない場合もありますので、過信は禁物。
信頼できる所に相談する
最近はどこの会社も組織風土の改革、働きやすい職場づくりにチカラを入れています。(やってるフリだけの所もありますけど)。
人事部や労働組合などで、セクハラやパワハラの相談窓口を設けているところもあります。
社内なので、相談しやすい、状況を理解してもらいやすいというメリットがあります。
デメリットとしては、身内なのでなあなあに済ませてしまう危険があること。
パワハラ主が人事部にコネがあると、最悪もみ消される可能性もあります。
その場合は具体的に証拠を集めたのちに、弁護士や労働基準監督署にいくとよいでしょう。
弁護士は初回相談は1時間5千円などでやってくれますが、実際に依頼をするとなると最低でも数十万円の費用がかかります。
その分、きちんと証拠集めをしていればとても強力な味方になってくれます。
銀行も表沙汰になるのをイヤがる傾向にあるので、あっさりとこちらの主張が認められる場合も。
パワハラを受けて困っている方は、色んな相談や解決の選択肢があることを知っていただければと思います。
無理に解決しようとせずに、今の職場の将来性に見切りをつけて転職するというのもアリだと思いますけどね。