「銀行員の転職って最近は増えているのかな?」
「周りでは転職希望者が多いように感じるけど、実際はどうなの?」
「銀行から転職すべきか悩んでいるけど、どう行動したらいいんだろう?」
銀行員の転職事情について、最新の傾向を知りたい人向けにこの記事を作成しました。
・年齢:30代後半 関西在住
・地元でリテール(個人営業)として奮闘中
・毎月1万人以上が訪問する転職メディアを運営
・200人以上の転職相談にのった経験アリ
転職が広く普及した時代とは言え、転職することは簡単な決断ではありません。
ましてや、銀行のような安定した職場からの転職となると、周りの銀行員がどのように考えているのかも参考にしたいところですよね。
先に結論を述べますと、銀行員の転職志向は年々増加傾向にあります。
多くの人が新しいキャリアを歩もうと積極的に行動しています!
・銀行員の転職は実際に増えているのか
・銀行員の転職が増えている理由
・転職を検討している銀行員はどう行動すべきか
銀行から転職したいと考えている人はどのくらいいて、どのようなことを考えているのでしょうか?
この記事を最後まで読んでいただければ、銀行員から転職すべきかどうかの悩んでいるあなたもきっと行動を起こしたくなりますよ!
もくじ
銀行員の転職は実際に増加している
銀行からの転職は、ひと昔前に比べると増えているように感じます。
実際はどうなのでしょうか?
統計を基に、銀行業界の転職者数の推移とその特徴について見ていきます。
このグラフは、2019年度以前の銀行・証券業界における、転職決定者数推移を示したグラフです。
青線が「銀行・証券業界から異業種」への転職決定者。
赤線が「同業種」への転職決定者の推移を示しています。
09~13年の5年平均を1として比較したグラフですが、2019年度には青線が2.23倍、赤線が3.32倍と、どちらも2倍以上になっていることが分かります。
特に同業種への転職者が多く、赤線はきれいな右肩上がりになっています。
これは、「習得できるスキルの専門性が高い(異業種よりも同業種の方が活躍しやすい)」という金融業界の特色を表していると言えます。
とは言っても、異業種への転職者も2倍以上に増加しているのも事実です。
これらのことから、
・銀行・証券業界で働く人の転職熱は年々高まっている
・あらゆる業種から求められる人材である
ということが見てとれます。
2020年以降も銀行員からの転職は増加している
次に、コロナ禍が銀行員の転職にどのような影響を与えたかについて見ていきます。
銀行業界の募集求人数と登録者数
このグラフは、赤色の棒グラフが銀行の求人件数、青色の折れ線グラフが銀行在籍者の転職サイトへの登録者数を示しています。
1年前の2020年10月を1とすると、銀行在籍者の転職サイトへの登録者数は1.5倍以上になっていることがわかります。
つまりコロナ禍で銀行員の転職意欲は確実に増加しています。
新しい生活様式は銀行にも影響を与える
コロナ禍により、「新しい生活様式」や「新しい働き方」が急速に普及しました。
銀行業界においても、顧客との対面営業を極力避けるためのオンラインツールの導入や、書面手続きの簡略化などが進んでいます。
それは同時に、「従来の銀行業務は無くなり、今の自分は将来的に必要とされなくなるのではないか」という懸念も生みました。
前向きに変革へチャレンジする銀行員が増加
銀行のみならず、そこで働く銀行員自身も変革が求められるようになったのです。
自分と向き合う時間が増えました。
新しい時代に対応するための前向きなキャリアチェンジを志向する人が増加していると考えられます。
銀行員の転職が増えている理由、将来性が低い
合併や人員削減を打ち出す銀行が多い
銀行を取り巻く環境は厳しく、逆風が吹き続けています。
低金利や人口減少の影響を受け、従来のビジネスモデルでは成り立たなくなっています。
実際、地銀の合併や人員削減のニュースなどが後を絶ちません。
進む銀行業務のオンライン化
業務のIT化やネットバンクの台頭も脅威です。
AIによる融資審査の登場や、口座開設などの各種手続きのオンライン化が進んでいます。
10年後20年後に、現在の銀行業務は殆ど残っていないかもしれません。
銀行業界の未来は不透明
さらに、働き方改革の影響で残業時間も抑制され、給料が下がったという人も多いです。
かつて銀行は「安定、高収入」の代名詞として人気の就職先でした。
しかし、銀行の将来は不透明なものとなっています。
銀行員としてのキャリアに不安を感じ、成長産業に転職していく人は今後も増加していくことでしょう。
銀行員の転職が増えている理由、転職活動の多様化
かつては多くの人に無縁だった転職
従来の転職活動は、求人に応募し、企業に出向いて面接試験を受けるしかありませんでした。
面接の日程が平日に組まれれば有休を取得しなければなりません。
多忙で転職活動どころではないという人も多かったはずです。
転職活動もオンライン化
しかし、現在では採用活動の手法も多様化しています。
コロナ禍においてWeb面接が急速に普及。
1次試験から内定を得るまでの過程が全てオンラインで完結する企業も増えています。
地方から首都圏の企業を受けることも容易になり、様々な選択肢が取れるようになったのです。
転職のハードルが下がり身近なものへ
また、リファラル採用や転職エージェントなど、ミスマッチングの起こりにくい転職手法の登場も転職市場の追い風となっています。
転職活動の手法が多様化し、以前より転職のハードルが下がったことが、銀行員の転職意欲を高めているのです。
銀行員の転職が増えている理由、先進的な環境で働きたい
新しい働き方へ転身したい人が増えている
ベンチャー企業やIT業界を筆頭に、リモートワークやオフィスカジュアルなどの先進的な働き方を取り入れる企業が増加しています。
一方で銀行は、昔ながらの堅苦しい企業体質が残っています。
厳格な服務規律に縛られ、業務柄リモートワークの普及もIT業界などに比べれば遅れています。
若手行員には裁量権が殆どなく、一つの契約の際には多数の書類記入や検印が必要です。
自分のキャリアを見つめ直し新しい世界へ
おしゃれなオフィスで従来の働き方に捉われずに、生き生きと働いている人たちとは正反対の働き方をしているのです。
コロナ禍で新しい働き方がクローズアップされたことにより、自分のキャリアを見つめ直した人は多いでしょう。
そして最先端の働き方に憧れを抱き、銀行からの転職を決断する人が増加しているのです。
銀行員の転職が増えている理由、ストレスの限界
銀行員生活はストレスとの戦い
銀行員生活はストレスまみれです。
・ノルマに追われる日々
・厳しい上下関係
・厳格な事務作業
・プライベートが優先できない仕事環境 など
上司や支店長が厳しければ支店内の雰囲気もギスギスして、上席の目に怯えながら仕事をすることになります。
アフターファイブにも仕事のことが頭に浮かび、月曜日が来る度に憂鬱な気分になる人も多いのではないでしょうか。
どのような職種にもストレスはつきものですが、お金を取り扱う銀行業界のプレッシャーは独特なものがあります。
根性論はもう古い、自分らしく働こう
ひと昔前は根性で働き続ける人がたくさんいました。
しかし転職が一般的になった現在において「ストレスの限界」は最も多く挙げられる転職理由の一つです。
銀行特有のストレスから解放される為、ノルマのない公務員や経理職などに転職しようとする人が増加しています。
銀行員の転職が増えている理由、人生100年時代の到来
終身雇用制度は完全に崩壊した
人生100年時代が到来し、職業人として働く時間が長くなりました。
今までは、
・新卒で入社した会社で定年まで勤めあげる
・60歳以降はセカンドライフを楽しむ
というスタイルが一般的でしたが、これからはそうはいきません。
70歳定年制へ、長く働くのが当たり前の時代
近い将来、70~75歳まで働くことが当たり前になる時代が到来します。
社会人としての期間は50年以上にもなるため、一つの企業で働き続ける人の方が少なくなるかもしれません。
長い職業人生を続けるためには、幅広いスキルの習得が求められます。
異業種へ転職する銀行員も増加
その点、銀行で得られる知識や経験は独特であり、他業界で活かすことの出来るスキルは限られます。
銀行生活が長くなればなるほど、金融業界以外への転職が難しくなるでしょう。
将来の選択肢が狭まることに危機感を覚え、キャリアの早い段階で異業種に転職して経験を積もうとしている人が増えているのです。
転職を検討している銀行員のあなたへ
銀行からの転職は増えている、あなたはどうする?
ここまで見てきた通り、
・転職市場の活発化
・銀行業界の先細り
・新しい働き方の普及
などを要因として、銀行員からの転職者は増加傾向にあります。
この事実は、あなたが銀行から転職を決断する際の一つの後押しになることでしょう。
ただし、「周りが転職しているから」という理由のみをもって決断しては後悔することになります。
自分の人生は自分だけのもの。
どういう人生を生きたいかについて自分自身でよく考える必要があるからです。
まずは銀行からの転職理由を明確化しよう
そのためにまずは、「なぜ自分は銀行を辞めたいのか」を明確にすることをお勧めします。
やりがい、勤務条件、人間関係、待遇など、銀行のどのような点を不満に思っているでしょうか。
そしてその解決策は転職しかないのか、転職するにしてもどのような業界を目指せばよいのかを分析しましょう。
そうすることで、転職活動の方向性を定めることが出来ます。
転職活動の結果、銀行に残るのもよし!
とは言っても、実際に転職活動をしてみなければ分からないことも数多くあります。
どう転ぶか分からないからこそ、転職活動はなるべく在職中に行うようにしましょう。
転職活動の結果、「やっぱり銀行に留まる」という判断になることもあり得るからです。
それはそれで、転職活動をした価値はあったと言えます。
モヤモヤしたまま銀行で働き続けるのと、一度転職活動をしてから留まるのでは、今後の銀行員キャリアにおける「納得感」が違います。
1年後、あなたはどんな生活を送っていたいですか?
活き活きと働いている姿が想像できますか?
まずは少しずつでもいいので、行動を始めてみましょう!