「銀行辞めたい」
「ノルマや人間関係に疲れてもう限界」
「転職ってアリなのかな?」
そんなあなたのお悩みにお答えする記事を書きました。
・年齢:30代後半 関西在住
・地元でリテール(個人営業)として奮闘中
・毎月1万人以上が訪問する転職メディアを運営
・150人以上の転職相談にのった経験アリ
色々と特殊な文化が根付いている銀行。
それに違和感を持っている自分は「仕事ができない人」なのかな、と落ち込んでしまいますよね。
そんな風に思わなくて大丈夫です。
辞めたいと思っている人はあなた以外にもたくさんいます。
今回は保険会社と都市銀行で両方とも働いた経験をもつ、マキさんに女性銀行員が辞めたい理由や今後のキャリアへのヒントなど、リアルな経験を書いていただきました。
<この記事を書いた人>
マキさん
・34歳 女性
・国内大手生保→三井住友銀行→外資系保険会社へと転職
・現在は営業アシスタントとして活躍中
<この記事の内容>
・女性が銀行を辞めたい理由、7選
・銀行に長く勤めていると性格が悪くなる
・まずは上司に待遇改善を依頼してみるのもアリ
・転職って意外とカンタンでした
この記事を最後までお読みいただければ、あなたも辞めたいのは自分だけじゃないことがわかって、新しい道を進むヒントを得ることができますよ。
銀行を辞めようか悩んでいるあなたへ
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もくじ
銀行を辞めたい女性の理由1、配属先は運試し
恐怖の配属ガチャ
銀行の業務は多岐にわたり、部署によって業務内容や雰囲気が大きく違います。
最初の配属先で、ある程度自身の銀行でのキャリアプランが定まってしまいます。
この配属、自分の希望よりは、支店の人員配置の状況や自宅から近すぎないか遠すぎないかなど会社の事情で決定される傾向が強いです。
採用面接で、あれほどやりたい業務を掘り下げて聞かれたのに。
一つも話題にならなかった全く違う部署へ配属される、なんてことも多くあります。
同期のキラキラした配属先を聞くとむなしくなる
同期は海外部門や、大きな法人を開拓する部門などで活躍する中で、自分はひたすら窓口業務をこなすだけ。
そんな部署で活躍する同期のまぶしい話を聞き、同じ会社なのに、仕事のダイナミックさとやりがいなんて一つも感じることができてないよ…とショックを受けたこともありました。
もちろん大きな組織の中で、自分の希望ばかりが通るわけにはいきません。
でもこんな運試しのような配属で仕事人生が決まってしまうのは悔しくもあり、悲しく情けなくなりますよね。
特に地銀は人間関係が固定される
総合職は定期的にジョブローテーションのため部署をまたぐ異動があります。
一般職だと「転居を伴わない異動」が条件になることも。
地方だとそもそも家から通える場所に支店が2,3つしかなく、異動先も限定的。
メンバーもほとんど変わらず、人間関係のリセットもできない変化のない環境に息苦しさを感じることもあるでしょう。
銀行を辞めたい女性の理由2、給料が低い
一般職の年収は低い
総合職と一般職とに分かれて採用する銀行が多数ですが、それぞれの給与の差は大きいです。
「銀行員は高給取り」というのは総合職のことで、順調に出世している人はかなりたくさん貰っていました。
新卒の求人に載っている初任給は総合職でも一般職でもさほど変わりませんが、そこから5年後、10年後は額面の伸び方がまったく違います。
女性行員の将来性も不安
かつて、一般職に関しては、求められるスキルも限定的でルーティーンワークをこなす中で、少しずつスキルアップしていくといった環境ですよね。
そのぶん、待遇面でも二つの職種の間で差があります。
今限定的な業務は、派遣社員さんやパートさんが担当するようになりました。
一般職でも総合職に近い高度な業務や、ノルマを担っている人も多いでしょう。
給料は安いが仕事内容はハード
さらに、規定や事務手続きの改定のスピードも速くなり、支店数や人員の削減など、働く環境はより苛酷に。
それにも関わらず、給与体系は昔のままを引きずっています。
もはや現在の一般職は転勤がないだけで、現場で求められることはそんなに変わりません。
銀行の仕事は「ノルマあり」「クレームあり」のハードな仕事です。
それなのに、ほかの業界の事務職の友達の方がたくさん給料を貰っている話を聞くと、がく然としてしまいます。
銀行を辞めたい女性の理由3、事務ミスが許されない
常に緊張を強いられる職場
お客様の大切なお金をお預かりする業務、当然事務ミスは許されません。
書類のチェックや事務の端末操作の時は、常に緊張しますよね。
今は個人情報の取り扱いもシビアになり、こちらの漏えいにも最新の注意を払います。
他の会社なら「仕方ないよー」「修正しておいたよー」と済まされる些細なミスも、銀行ではそうはいきません。
お客様に経緯を説明し謝罪、始末書を書き、ミスの報告書を本部に上げるなど、1日の業務をほぼそれに取られるほど面倒なことになります。
恐怖の内部監査
怖いのは年に何度かある監査です。
すでに処理をしたものに、不備がなかったかチェックされるもので、その日は1日中支店中全員がピリピリします。
何かあれば当時の担当者が呼び出されます。
「こういう処理をしているけどどうして?」
「〇〇ってルールは知らなかったの?」
とそのときの経緯や状況をみっちりヒヤリングされます。
まるで、警察の事情聴取です。
事務ミスを吊し上げされるのがつらい
監査担当の人も優しそうに見えるのに、どの人も眼光が鋭くかえって余計に怖いです。
何年も過去のことだと、記憶もあいまいで歯切れも悪く、しどろもどろになります。
周りの「あーあの人やっちゃったなぁ」という痛ましくネガティブな視線も相まって、あんなに冷や汗の出る場面はありませんよね。
銀行を辞めたい女性の事情4、人間関係が複雑
銀行内の人間関係は面倒
同じ銀行内の仕事でも、預金や手続きの部署より、資産運用や融資の部署は「手数料を稼いでいる」ことで持ち上げられたり、発言力があったりします。
合併している銀行だと、一緒になってもう10年以上もたつのに、
「あの人は旧〇〇銀行だから」とか「元〇〇銀行の人はこうだから」とかいまだに話題になります。
そういった目に見えない力関係を推し量ってふるまう場面、疲れますよね。
パートさんの人間関係にも気を遣う
元社員のパートさんに対しても、結構気を遣います。
「昔はこんなにすごかった」「今の〇〇支店長の指導をしていた」と昔話に付き合う必要があります(涙)。
過去の栄光や功績を持ち上げつつも、今のルールに従ってもらうよう丁寧に接しないといけません。
たまにはオシャレにランチしたい
銀行によっては「休憩時間は外出禁止」「昼食は行内の食堂を利用する」など退勤時間まで外で出られないことが多いです。
お昼休みはなかば強制的に社内の人と一緒に過ごすことになります。
せっかくの休憩時間を、社内関係のメンテナンスに費やすことになり、息抜きになりません。
社内での立ち振る舞いのことばかり考えてしまい「この人は押さえておいた方がよさそう」とか「あまり重要人物ではないから適当でいいや」など、損得勘定で人間関係を築いてしまいますよね。
銀行を辞めたい女性の事情5、昔ながらの慣習
食堂に役席の専用の椅子が
私が新人の時、お昼ごはんを食べようと社内食堂のイスに座ったとき、あちらこちらから冷たい視線が。
(え、なんで?)と戸惑っていると「〇〇さん!そこはダメ!」と先輩に慌てて引っ張られ、他の席に座らされました。
「あそこは役席者の専用席だから私たちは座れないの」と先輩。
大人の世界でそんなことが!と衝撃でした。
特にそんなこと書いていないのですが、他のテーブルは混んでいようが、そこに空きがあろうが、座ってはいけないそうです。
「とにかく前からそうだから気を付けてね」って締めくくられましたが、私の頭の中にはハテナマークが大量にはびこり、少しも納得できませんでした。
まるで半沢直樹の世界
また、勤務中忙しくしているときも「偉い人がくるから起立して、道を作って。近くまできたらにっこり笑ってお辞儀してね」と先輩に言われたこともあります。
どこかの銀行ドラマと一緒だ、こういうのはドラマの演出だと思っていたのに!と驚きました。
電話を取り次ぐだけでも一苦労
社内電話を取り次ぐ時も「〇〇さんからお電話です」と伝えると「役席名もちゃんとつけて」と注意されたこともありました。
それからは、取り次ぐ前に社内名簿で役職名を調べてから繋ぐ、という時間も労力もかかることをしていました。
「前からそうだから」で片付けられてしまう非効率な慣習がちょこちょこあります。
銀行を辞めたい女性の理由6、お客様をえこひいき
お金持ちのお客様は何かと優遇される
銀行も利益を出さないといけないので、仕方ないのですが、預金が多い、資産運用をたくさんしてくれるお客様は当然優遇されます。
窓口が混み合い、長い時間多くのお客様をお待たせしているときでも、銀行的に「優良なお客様」が突然やってくれば、こっそり別室へ案内し優先的に対応。
手続きに日数を要するものでも「特例扱い」として本部に掛け合いすぐに処理。
世の中の不条理を見せつけられる
「ああ、世の中お金がすべてなのだな・・・」という場面を何度も見せつけられました。
自分もすっかりその感覚に慣れ、窓口に来た人の預金額や取引情報をちらっと調べては、対応をころころ変えてしまいました。
ふとしたときに「人の顔に金額が書いてあるように見える。何やってるんだろう」という感覚に陥ったこともあります。
もっと社会貢献がしたくで銀行に入ったのに
私は銀行って、社会に開かれた公のイメージを持っていました。
志望した動機も「幅広い年齢層や立場の人と関わりたい」「金融サービスを通じて社会に貢献したい」と高々とかかげて入行しました。
実際入ってみると実は思いっきり人を選んでいる!という現実がありました。
困っているお客様や「こういう人と取引したいな」は叶わず、そういった理想と現実のギャップに苦しむこともあります。
銀行を辞めたい女性の事情7、人が突然いなくなる
優秀な人ほど退職していく
毎月発行される社内報に「今月の退職者」が掲載されていましたが、ご丁寧なことに、入行年も載っていました。
毎月かなりの人数が載っていて、若い人ほど結構辞めていました。
しかも優秀な人ほどあっさり転職していることも。
転職した人がうらやましいと思えてくる
きっと昔は、長年勤めた人をねぎらうことを意図した掲載だったと思います。
ただ近年は毎月見るたびに「みんな辞めていくな」「私、ここにいてもいいのかな」と実感させられます。
行内でも「〇〇さん逃げたね」とか「私も辞めたいな」とかネガティブな話題のネタにされてしまう皮肉な掲載欄となっていました。
体調を崩す人もたくさん
退職だけではなく、メンタルのバランスを崩して休職に追い込まれる人も多く、各支店に1人は予備軍を含めメンタル不調者がいました。
考えてみればノルマ、上司のパワハラ、クレームなどストレス要素満載でいつ誰がなっても不思議ではありません。
メンタル不調だとある日突然来なくなるので、引継ぎも十分できないまま、大量の業務が降りかかってきます。
メンタル不調の負のループ
残業続き、クレーム続きで、次は引き継いだ人がダウンするという負のループを何度も見てきました。
休職中は人員としてカウントされるので、増員されることは基本ありません。
その人が戻ってくるまでとりあえず頑張る、という気力だけで乗り切らなければなりませんでした。
女性は銀行に長く勤めていると性格が悪くなる?
ストレスに揉まれ、性格は悪くなる
銀行に勤めていると、ストレス耐性に強く、腹黒く、強引になります。
上記のように自分が変わっていくのも正直イヤでした。
社内社外ともにシビアな世界なので、普通の良い人では続けていくことは大変です。
銀行に入ってくるのは、今まで何でもまじめに取り組んできた人、優等生タイプの人が多く、私もその内の1人でした。
「銀行員」だと家族も周りも褒めてくれます。
「銀行に居ること」が目的になってしまい、しがみつくには性格もフルチェンジしないとやっていけないと考えました。
銀行に長く残っている人は気が強い
周りを見回すと、長く残っているのは、
「言われたことを10倍で言い返す、とにかく口達者な気の強いタイプ」。
または「誰に文句や悪口を言われようが気にしない、空気をまったく読まないおっとりタイプ」でした。
そんな人たちを意識してまねた部分もありましたが「ここで生き残るにはこういう性格の方が良いんだ」と無意識のうちに態度や言動の影響を受けていたと思います。
別人のように変わってしまった同期の子
クレーム対応は右から左に流すようになり、多少強引に仕事を押し付ける手段も選ぶようになり、社内の人間関係には腹黒くなりました。
決して憧れからの真似ではなかったので、「こういう風にはなりたくないな」「こんな性格悪い自分はいやだな」と常に思っていたのに。
同期を見ていても、新人のころは素直でやんわりしたタイプだったのに、数年後居酒屋で店員さんに高圧的な感じでクレームを言っていて「この子変わっちゃったな」と思うことがありました。
銀行を辞めたい女性は転職もアリ
違和感を持っているのはあなただけではない
色々と特殊な文化が根付いている銀行。
それに違和感を持っている自分は「仕事ができない人」なのかな、と落ち込んでしまいますよね。
そんな風に思わなくて大丈夫です。
銀行=世の中のすべてではありません。
社会はもっと色々な人がいて活躍できる場がたくさんあることを知って欲しいです。
一度上司に相談してみるのもおすすめ
ただ1つ。
できるなら、つらい気持ちを抱えていることを1度だけ上司に話してみるもの良いかな、と思います。
つらいとき私は「我慢することが仕事」とギリギリまでねばってしまい、かえって周りに迷惑をかけてしまいました。
今思えば、思い切って異動希望や業務を減らす相談をしておけばよかった、と思っています。
頑張ってきたあなたには「信頼貯金」があります。
それを切り崩しながら、少しずつ自分の働きやすさを整備していく、こういった方法もあると思います。
もっと輝ける自分に
相手が理解してくれず、状況が変わらないなら、次のアクションとして、自分の居場所を変える転職準備をしても良いかと思います。
銀行を経験していれば、特にアピールしなくても「誠実」「まじめに業務をこなしてくれる」「お金や機密情報の扱いに熟知している」といったイメージを持ってもらえます。
これらは、どこの企業で働くにも必要な要素で立派な武器になります。
特に、保険会社や証券会社など近い金融業界、法律事務所や公務員など事務が煩雑な業界への転職はスムーズで、重宝してもらえることが多いです。
「肩書よりスキルだ」という時代ですが、銀行が持つプラスイメージは若いうちから全面的に利用し、自分らしく笑顔で働ける居場所を選び取る機会を持ってほしいと思います。
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