「農協に勤めているけど、ノルマがキツい…」
「給料が安くて不満、他にもっといい仕事はないかな…」
農協(JA)も合理化でどんどん合併が進んでいて、実際に勤めている人は不安になることも多いと思います。
・30代後半、関西在住
・地元でリテール(個人営業)として奮闘中
・毎月1万人以上が訪問する転職メディアを運営
・150人以上の転職相談にのった経験アリ
今回は、ローカルバンクの転職体験談、というわけで、実際に僕の知り合いの元農協職員のMさんから転職体験談を聞いてきました。
Mさんプロフィール
・34歳 男性 関西在住
・私立大学を卒業後、地元のJAへUターン就職
・31歳の時に地元メーカーの経理職へ転職
Mさんに農協に勤めていた時の思い出や、転職することになったキッカケをたくさん語っていただきました。
同じような境遇の方はきっと勇気づけられると思いますよ。
もくじ
農協(JA)職員からの転職体験談
そもそも農協へ入ったキッカケ
もともと実家が農業をしていたので、JAは非常に身近な存在でした。
長男だったので地元で就職できること、そして説明会の時に人事もアピールしていた「生まれ育った地域への貢献」に強くひかれました。
自分も生まれ育った地域へ恩返ししたい、親戚や近所のおじちゃんおばちゃんみたいに農業で頑張っている人を支えたい、そんなやりがいを抱いて入協しました。
また、協同組織なのでつぶれることはないだろう、安定している(とその時は思っていました)も就職を決めた理由のひとつです。
内定をもらった時は、親や親戚もとても喜んでくれました。
農協時代の仕事内容
主に共済の営業を担当していました。
組合員の自宅へ訪問して、火災共済や自動車共済、学資保険など、様々な共済を提案・販売していました。
自慢ですが(笑)ノルマは割と達成できていたほうで、
優秀職員として表彰されて、ごほうびに沖縄へ研修旅行に連れて行ってもらったこともあります。
農協から転職しようと思った理由
共済などのノルマがキツい
とにかく、共済などのノルマがキツかったです。
主に担当していた共済以外にも、クレジットカード、定期積立、JAの発行する雑誌「家の光」や農業新聞、お歳暮など目標(ノルマ)は多岐にわたります。
獲得した数字は、支店の壁に張り出されて、数字が未達の人は人目でわかる方式。
出来てない時は、上司から罵倒されていました。
自分はどちらかというと、数字はやっていたほうですが、できていない同僚はほんとしんどそうでした。
他人が詰められるのを日常的に見ているのも、とてもストレスに感じました。
目標を消化するためには、親戚や地元の友人などのお願い営業しなければならず……
最初は快く応じてくれた友人たちも、しだいに「またか…」という反応をされる始末。
自爆営業(自分で契約してノルマを消化すること)もやってましたよ、ぶっちゃけ。
組合員から求められているものを販売するのではなく、農協側の都合を押し付ける。
ほんとに地域貢献しているのかな…そんな思いが頭をよぎりました。
年収が低い
30歳で年収が約300万円でした。
(うたのの年収が30歳で約500万円だったことを聞いて)えっ! 何っ! そんなにもらってたの? 辞めたらもったいないよあなた(笑)
他のメーカーなどに勤めていた同期などに聞いても、もしかしてオレって年収低いかも…とずっと思っていました。
毎月17万円くらいの手取りで、そこから自爆している共済や強制貯金、購読雑誌の代金などを引かれると手元に残るのは13,4万円ほど(涙
独身の時は実家から通っていたので、なんとか暮らせていましたが、
結婚して、長男が生まれたのをキッカケに、このまま仕事をずっと続けていくのはキツいぞと真剣に思いました。
体育会パワハラ組織で人間関係がキツい
「農協ってのんびりしてそうで、ラクそうだよね」
友人からよく言われましたし、自分も入るまでそう思っていたのですが…
実際にはバリバリの縦社会、体育会系のノリで、上司の言うことは絶対!
サービス残業もしょっちゅうでした。兼業農家の方が多いので、ノルマを消化するためには夜になってから組合員の自宅へ訪問することも多く、22時帰宅、なんてこともよくありました。
新卒で入協したので、農協の社会しか知らず、それが当たり前だと思っていたのですが、転職して自分がいかに特殊な環境におかれていたのかが、よくわかりました。
学生さんはよく調べてから就職活動したほうがいい、ホンマに。
農協職員からの転職先
農協は割と離職率が低い、といわれているのですが、それでも自分のいた組織でも年間数十人が自主退職していました。
自分が実際に受けた企業や、先輩・後輩が転職した業界などをお伝えします。
銀行・信金などの金融機関
ノルマがキツいのがわかっているのに、何でまた金融機関にいくのかな?
と個人的には思ってましたが、実際僕の周りで銀行や信金などに転職した人も多くいます。
まとめるとこんな感じです。
・地銀は年収がいい
・郵便局(ゆうちょ)に行った先輩は、給料が安いわりにノルマが多くて泣いてました
・ろうきん(労働金庫)はユルくてそこそこの給料もあり、オススメ
農機具・肥料メーカー
取引先等のツテを辿って、
商品開発とかはさすがに無理かと思いますが、生産管理や営業、
ただ、日本の農業関連市場は全体として先細りの傾向があるので、希望する企業がどんな事業を行っているか? 将来性があるか? などはよく調べた方がいいと思います。
その他、メーカーの経理・財務職など
大手企業だと最初から、経理・財務などの人材を新卒で育てるか都市銀行あたりから引っ張ってくるので中々我々のような地域金融機関組にはチャンスがないですが、
中小企業の経理・財務または営業職などはいくつか求人がありました。
自分が実際に就職したのも、農業とは一切関係ない業界、地元の中堅どころの機械メーカーです。
金融機関で働いた経験や、営業をコツコツと頑張った体験は、他の業界にいっても役立つと思います。
農協からの転職に成功!
転職活動の思い出
結婚して子どももいたので、やはり次の仕事の保障がないのにいきなり辞めるのは怖い。
というわけで、在職しながら転職活動してました。
面接の日程がどうしても平日になるのがキツかったですね。
「親をどうしても病院に連れていかないといけないので…」
「子どもが急に熱を出しまして、今救急外来にいます」
とかいって、転職面接にいったこともあります(苦笑)
受けた業界は主にさきほどあげた、3つの業界の中から、金融はノルマに追われるのがイヤだったので練習程度にとどめ、農機具・肥料メーカーや経理職などを狙ってました。
農協職員からの転職、実際に使った転職サイト
リクナビNEXT
ミイダス
農協職員からの転職、面接でのコツなど
経理事務、将来のマネージャー候補としての募集だったのですが、
農協は個人向け営業が主なので、
ですがここで、
経理事務経験者または簿記2級保有者が、応募条件になっている所もあるので助かりました。
農業法人の立ち上げにも携わったことがあります! (実際には1回しか触れたことがないけど)などもアピール。
企業側も、金融機関出身者なら決算書が読めると錯覚してくれたので助かりました。
簿記取得からかなり間が空いていたので、面接の前に入門本を買い直して、付け焼き刃で復習しましたよ(笑)
どちらかというと専門知識というよりは、社風に合うか、わからないことを勉強していく姿勢があるか、などを見られていると思います。
共済の推進担当として、目標を達成するためにどのような工夫をしていたのか? うまくいかない時はどのようにして乗り越えてきたのか?
その辺りの質問も、事前に転職サイトの想定問答集を読んで堂々とPRできました。
営業経験者なら、数字をやり遂げたことはかなりアピールポイントになるので、
何とか内定を勝ち取りました!
年収も450万円を提示いただき、
農協から転職して後悔はないか?
後悔は、ゼロです!
入社して1年間はかなりハードで、
もちろん経理の繁忙期は忙しいのですが、
何より、もう親戚を回ってお願い営業しなくてもいい
そして年収も増えて、やっと人並みの生活を送れるようになった
ワークライフバランスが取れるようになって、